栄養ブログ

鉄不足、大丈夫?

やる気が起きない、クヨクヨ、イライラ、夜中に目が覚める…。

こんな症状はありませんか?

特に女性は生理があるために、実は慢性的に鉄不足になっている方、多いんです。

血液検査をして、特に問題なしという数値であっても、上記のような症状がある場合、実はかくれ鉄欠乏性貧血になっているかもしれません。

ムリなダイエットしてませんか?

最近の若い方でも、スラっとスリムな体型の方、よく見かけます。

また、今は健康志向の方も多いので、例えばマクロビオティックやヴィーガン、ベジタリアンなど、野菜中心の食事をしているという方も、中にはいらっしゃるかもしれません。

でもそういった、ちょっとかたよった食べ方をしている方は、体に良かれと思っていても、実は栄養不足になっている可能性があり、要注意なんです。

鉄のはたらきとは?

鉄には、血液の中の赤血球を作るというはたらきがあります。

赤血球は、肺から取り込んだ酸素を、全身の組織に運ぶ役割があります。

また、鉄は、コラーゲンの生成にもはたらきます。

コラーゲンは、骨や皮膚、粘膜の材料となりますが、そのコラーゲンを作り出すには、タンパク質とビタミンC、そして鉄が必要なんです。

他には、白血球や免疫に影響する筋肉を収縮させるなどのはたらきもあります。

また、精神面、メンタルにも、鉄というのは実は深く関わっているんです。

鉄が不足すると、どんな症状が出るのでしょう?

鉄が不足すると、疲れやすくなったり、動悸やめまい、息切れ、立ちくらみ、頭痛などが起きやすくなります。

また、夜なかなか眠れない、あるいは、夜中に目が覚めてしまうなどの症状は、鉄の不足によって、体内時計を司っている、睡眠ホルモンと言われるメラトニンがうまく生成されないためなのです。

その他、鉄の不足によって、イライラ・クヨクヨ・怒りっぽいなど、メンタル面でも不調が表れてくることがあります。

そして、お子さんだけでなく、ママにも鉄不足がある場合は要注意。

疲れやすく、いもイライラして、子育てが楽しめない、そして自分はダメなママだという自己嫌悪におちいって、さらに落ち込むなど、悪循環になってしまって、これでは家庭内がギスギスしてしまいますね。

でも、これらの症状が、実は鉄不足からきていると認識している方は、少ないのではないでしょうか?

血液検査の数値は大丈夫!でも実はかくれ鉄欠乏性貧血かも。

私、貧血って言われたことないし、血液検査の数値も、基準値内で問題なしって言われたんだけど…。

貧血の検査は、一般的にヘモグロビンの数値赤血球数で確認しますが、血液が凝縮された状態だと、良い数値が出てしまうことがあるんです。

どういうことかと言うと、血液には、血漿(けっしょう)と呼ばれる水分の部分と、その他、血小板、白血球、赤血球などが含まれています。

例えば、汗を大量にかいていたり、飲む水の量が少ない場合、血液は凝縮された状態になってしまいます。

あるいは、低タンパク質の食事をしていると、血液の中に水分を保持することが難しくなり、体は脱水の方向にいってしまいます。

血液が凝縮された状態になっているために、血液全体に占める赤血球や白血球の割合が高くなってしまい、そのため血液検査の数値が一見良く出てしまい、鉄不足を見逃してしまうことがあるんです。

また、フェリチン(鉄結合性タンパク質、いわゆる貯蔵鉄)の数値や、赤血球の大きさなども、鉄不足の確認には必要なのですが、一般的な血液検査では、ここまで検査されないため、その点でも見逃されてしまうことがあります。(※)

なので、病院に行って「異常なし」と言われたけど、何か心や体の不調が続いているという方は、鉄不足を疑ってみる必要がありそうです。

(※)栄養療法を行うクリニックでの栄養解析検査(血液検査)では、フェリチン(貯蔵鉄)や赤血球の大きさの他、数十項目のデータが確認出来ます。

鉄不足を解消するには?

では、鉄不足を解消するには、どうしたらいいのでしょうか?

鉄を効率的に摂るには、植物性?動物性?

鉄を多く含む食品を摂りましょうということで、ひじきやほうれん草、レーズンやプルーンなどをおすすめされる場合があるかと思いますが、実は、これらの植物性食品に含まれる鉄は、非ヘム鉄と言われるもので、吸収率が良くないんです。

非ヘム鉄の吸収率は、5%以下と言われています。

それに対して、動物性食品に含まれるヘム鉄の吸収率は、10~30%

鉄を効率的に摂ろうと思ったら、動物性食品で鉄分の多いもの、赤身肉赤身の魚(カツオ・マグロなど)レバー卵黄などを摂るといいですね。

鉄の吸収率をアップさせる方法

ヘム鉄(動物性食品に含まれる)と比べて、吸収率が悪いと言われる非ヘム鉄(植物性食品に含まれる)ですが、鉄の吸収率をアップさせる方法があるんです。

1.タンパク質と一緒にとる
 肉や魚、卵などの動物性タンパク質と組み合わせて食べる。

2.ビタミンCと一緒にとる
 レモン、イチゴ、キウイ、ブロッコリー、キャベツ、ピーマンなど、ビタミンCを多く含む食品と組み合わせて食べる。

3.有機酸と一緒にとる
 酢や梅干し、トマトや酸味のある果物、ヨーグルトやワインなどに含まれる有機酸は、ミネラル類を吸収しやすくしてくれる。

その他、鉄なべを使ったり、また、鉄玉という鉄のかたまりを、お茶やスープ、料理を作る際に入れると、微量の鉄分が摂れます。

ぜひ、試してみて下さい。

鉄の吸収を妨げる牛乳の多飲に注意!

逆に、注意して欲しいのが、鉄の吸収を妨げる作用のある牛乳です。

牛乳には、カルシウムとリンという成分が多く含まれていますが、このカルシウムリンが結合すると、小腸内で鉄の吸収が阻害されてしまうことがわかっています。

そのため、牛乳をたくさん飲み過ぎると貧血になる、というのが、広く知られるようになってきました。

牛乳の飲み過ぎには、注意してください。

プレママや授乳中のママには、鉄は特に重要!

妊娠中の方や、授乳中のママは、より多くの栄養が必要ですよね。

中でも、鉄は特に重要。

ぜひ、意識して摂るようにしてください。

今、私が勉強している分子栄養学の講座の中で、乳児湿疹と鉄の関連性についての事例が紹介されていました。

生まれたばかりの赤ちゃんって、乳児湿疹になることがよくありますよね。

生後1か月で、全身に乳児湿疹がみられる赤ちゃん、ママは完全母乳でしたが、粉ミルクを足すことによって、治療開始から2週間で、キレイな肌に改善されたという事例でした。

ママが貧血など、鉄分不足になっている場合、母乳を飲んでいる赤ちゃんも、貧血状態になることがあります。

鉄は、コラーゲンの生成に関係していますから、肌の状態に即影響してくるんですね。

なので、ママが栄養不足な場合、一時的にでも、粉ミルクを足すなどし、その間に、ママも鉄分など必要な栄養をしっかり食事などからとることが大切です。