皮膚トラブルと腸内環境
蕁麻疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルは、腸内環境が関係しているとよく言われます。
そして最近、SIBOやリーキーガットという言葉、聞いたことないでしょうか?
私も、長年続く慢性蕁麻疹が、薬を飲んでもなかなか改善せず、痒みのストレスで参っていた時、いろいろ本を読んだりネット情報を調べたりするうちに、たどり着いたワードが、SIBOやリーキーガットという言葉でした。
ネットでSIBOやリーキーガットについて調べていると、栄養療法を行っているいくつかのクリニックのサイトなどで詳しく説明が書かれていて、それを見たのがきっかけで、栄養療法で慢性蕁麻疹を治そうと決意したんです。
実際には、お腹の中がどうなることで、皮膚トラブルが起こるんでしょうか?
SIBOとは?
まず、SIBOについてですが、ヒトの腸の中には、なんと100兆個もの腸内細菌が存在しています。
そして、そのほとんどが大腸に存在していて、小腸には1万個程度らしいのですが、それが何らかの原因によって、小腸の菌の数が異常に増えてしまう。
その状態のことをSIBO (シーボ・小腸内細菌異常増殖症候群)と言うのです。
SIBOの状態になると、本来大腸に存在するべき細菌が小腸に入り込み、吸収しきれない糖をエサにして増殖し、ガスを過剰に発生させます。
そして、小腸の粘膜に負担をかけ、様々なトラブルを引き起こすというわけです。
※参照 『体にいいことだらけの 最新 腸活大全』(扶桑社ムック)SIBOの症状とはどんなもの?
普段、こんな症状はないでしょうか?
✅お腹にガスが溜まる
✅腹部膨満感
✅お腹が痛い
✅便秘や下痢
✅ゲップ・おならが多い
✅胸やけ・逆流性食道炎と言われた
これらの症状がある方は、SIBOになっている可能性があります。
確かに私も、蕁麻疹がひどく出ている頃には便秘もしょっちゅうあったし、ほぼ毎日、特に夕方になると、お腹の中でガスがポコポコと発生している感じがありました。
なぜSIBOになるの?その原因
SIBOになる原因というのは、いろいろあるんですが、主な原因はと言うと、
- 小腸の消化管運動の低下
- 抗生物質の多用
- ストレスや胃酸抑制剤、ピロリ菌などによる胃酸の減少
- 高FODMAP食の食べ過ぎ
- 重金属の蓄積
- 胆汁の問題
など、主な原因としてはこういったところです。
実は、以前40代の頃、ピロリ菌が陽性だったことがあり、その後除去はしましたが、過去にピロリ菌がいたという影響もあるかもしれません。
また、昨年の検査の結果、体内の重金属はかなり多い方と言われましたし、抗生物質も、多用とまではいかないと思いますが、過去には風邪などいろいろな症状で、抗生物質を処方されたことは何度もあります。
これらは、すべて、腸内環境には良くないことなんですよね。
高FODMAP食とは?
また、SIBOになる原因として挙げた中に、高FODMAP食というのがありますが、これは、小腸で吸収されにくい糖質のこと。
「発酵性のオリゴ糖・二糖類(乳糖)・単糖類(果糖)・ポリオール(糖アルコール)」の頭文字を取ってFODMAPとしたものです。
これらが多く含まれる、パン・ヨーグルト・豆類・リンゴ・玉ねぎ・にんにくなどの食品が高FODMAP食と言われ、これらを食べ過ぎることで、SIBOになりやすいと言われているんです。
逆に、これらの糖が多く含まれていない食品のことを低FODMAP食と言い、米・アーモンド・バナナ・人参・ブロッコリーなどがあります。
高FODMAP食、低FODMAP食などのワードで調べると、あらゆる食品の分類(高FODMAP食か低FODMAP食か)を知ることが出来ます。
なので、SIBOにならないように、またSIBOの改善のためには、高FODMAP食と言われる食品を控えることが必要になってきます。
また、腸内環境に良いと思われる、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品も、高FODMAP食の方に分類されていて、これらが小腸の腸内細菌のエサになってしまい、かえって悪化させてしまうんだとか。
腸に良かれと思って、一生懸命食べてたこともあったのに。
なので、発酵食品なども、食べるとどうもガスが溜まるという方は、これらが原因となっている可能性があり、一度これらを中止して様子を見た方がいいかもしれません。
リーキーガットとは?
SIBOの他にもうひとつ、私が慢性蕁麻疹を根本的に治そうと模索していた時にたどり着いたワードが、リーキーガットという言葉でした。
これはリーキー(漏れる)・ガット(腸)症候群というもので、よく「腸もれ」という言葉も最近耳にするようになってきました。
SIBOとの関連
このリーキーガットが、SIBOと関連していて、小腸で腸内細菌が異常に増殖してガスを大量発生させてしまうことで腸粘膜がダメージを受け、それによって腸壁バリア(タイトジャンクションと呼ばれる細胞と細胞のつなぎ目)が壊れてしまいます。
そうなると、小腸内にある未消化のタンパク質やウィルス、有害毒素、悪性細菌などが漏れて、血液中に入り込んでしまい、体内の免疫システムがこれらを異物と判断して、アレルギーなど様々な症状を引き起こしてしまうんです。
リーキーガットという言葉を知った時、ようやく私の慢性蕁麻疹の原因にたどり着いた気がしました。
「あ~、慢性蕁麻疹の原因はこれだったんだ。」
と思ったんですね。
なぜなら、リーキーガット(腸もれ)の原因と言われているのが、高FODMAP食の中でも、小麦・乳製品・砂糖だからなんです。
何せ、甘いお菓子、ケーキ、パン、パスタやピザなどが大好きで、これまで数十年、ほとんど毎日この中のどれかは食べていたような状況。
確かに、甘いものや生クリームなどの乳製品、小麦製品を食べると、ガスがお腹の中でポコポコ湧いてくるような感じがずっとあり、まさしく私はSIBOであり、蕁麻疹が毎日のように出ることからも、リーキーガット(腸もれ)を起こしている状態だったんだなと、ようやくその原因にたどり着いたわけです。
その後、栄養療法で通い始めたクリニックで、小麦・乳製品・砂糖の制限を指示され、今も実践しています。(完全除去ではなく、時々少量食べてしまうことはありますが。)
これらの食品を控えることで、確かに蕁麻疹が出なくなったという実感はありますし、以前は夕方になるとガスの発生が顕著で、お腹が張っていたのが、今は改善しています。
リーキーガットや、小麦・乳製品・砂糖の制限については、こちらの記事でも書いています。

慢性蕁麻疹やアトピー性皮膚炎になる方というのは、もちろん他の要因もあるかもしれませんが、おそらくほとんどの方が、腸内環境が悪化していて、SIBOでありリーキーガットの状態になっているのではないかと思います。
毎日の食事で高FODMAP食を控え、低FODMAPに変えるだけでも、状況は良くなってくるかもしれません。
SIBOやリーキーガットについてのお勧め本
SIBOやリーキーガットについて詳しく知りたい方は、こちらの本がわかりやすくてオススメです。

「腸活大全」の江田証さんという方は、他にも腸活に関する本をたくさん出してますね。
「「腸もれ」があなたを壊す!」の藤田紘一郎さんも、免疫や腸に関する本がありますね。
(確か昨年亡くなられたようですが。)
慢性蕁麻疹やアトピー性皮膚炎など、長期にわたる皮膚トラブルに悩んでいらっしゃる方は、良かったらぜひ読んでみてください。
とにかく、腸内環境を整えることが改善への一歩になるのではと思います。